旅が下手にもほどがある 〜沖縄旅行①〜

ひらめ



コロナウイルスの影響で行動が制限され、多大なストレスを感じた人も多いそうだが、インドアの私は、生活に大きな変化は起こらなかった。






ありがたいことにお仕事への影響も大きくはなく、続けられたこと。




書いていて切なくなるが、友人が少ないこと。




スーパーなどの買い物も、普段からまとめ買いをしていたこと。




ショッピングも苦手で、数か月に一度まとめ買いをする程度だったこと。


(苦手でも、サイズは慎重に選びたいと必ずお店に足を運んでいたのだが、コロナ禍でネットショッピングへのハードルが自分の中でグンと下がった。)




運動はジムや外でおこなうものより、自宅でYouTubeを見ながらストレッチや筋トレ、有酸素運動をすることを好む質である。




外に出られないから運動不足になるどころか、常に運動不足。


室内でおこなう簡単な運動で、私の体は悲鳴をあげる。






心配性のため、体調のちょっとした変化にビクビクしながらではあるが、プライベートの生活リズムはほぼそのままといっていい。




外出自粛が広まり始めた頃、会う人ほぼ全員に「出かけられないなんてほんとストレスたまるよね」と言われ、そうか、世の中の人々はそんなに活動的だったのかと衝撃を覚えた。






衝撃を受けすぎたワタクシ、そのうち人から言われなくても、訳知り顔で自分からこの言葉を言うようになりました。






見栄っぱりですが、何か。








そんなインドアの私でもさすがに、旅行に行けない寂しさが日ごとに増しはじめ、YouTubeで旅行動画をむさぼり観ては「旅行に行きたい…」と独り言ち、ここではないどこか遠くの場所を切望していた。






そしてようやく、数年ぶりに行ってまいりました。








沖縄旅行。






夫は初めて。私は2回目。


ほぼ沖縄初心者の癖に、1泊2日の超弾丸スケジュール。





もともとタイトな滞在時間のため、できるだけ無理をしないで済むようにふたりで相談して計画を立てた。






だがしかし、我々の計画は早々に崩壊することになる。







なんと飛行機に乗り遅れたのである。









こんな初歩的な失敗をするなんて、誰か嘘だと言ってくれ。








少し言い訳をさせていただくと、空港には、ちょっと余裕をもって到着していた。






ただ、この『ちょっと』がいけなかった。




この『ちょっと』が、私たちを油断させたのだ。




もしかすると、国内線だから、と心のどこかでなめてかかったのも一因かもしれない。








真っ先にチェックインを済ませればよかったものの、油断している私たちが向かったのはコンビニだった。






夫は朝ごはんを買いたかった。




私は、沖縄で乗るバスのチケットを事前に買っておきたかった。


(事前に買うと安くなる)








揺るぎない足取りでコンビニへ向かい、買い物を終える。








旅行前の高揚もあり、冗談を言い合いながらチェックインカウンターへと向かった。



私たちは最高の笑顔だったことだろう。











今から待ち受ける現実も知らずに。









チェックインの機械の操作にもたつき、近くの女性スタッフに操作方法を尋ねたところ、「チェックインの時間を過ぎているため、ご予約の便にはご搭乗いただけません」と淡々と言われた。








ゴトウジョウイタダケマセン?




エ?エ?エ?




ナンダッテ?






そのタイミングで確認したときの時刻は、チェックインの時間を2分過ぎていた。






2分!秒に変換すれば120秒!



カップラーメンもまだできない!


いや、もしかしたら固めが好きな人もいるかもしれないけども!




それでも!




コンビニに行ったとしても、もっと素早く歩いていれば間に合ったかもしれない時間!






ああ!私たちは時間も気にせず、何をしていたのか!






…冗談を言ってばか笑いしながら、ちんたら歩いておりました。






Why⁉




…『ちょっと』余裕をもって到着したからです。










心の整理が追いつかないまま、とりあえず再度チケットを取り直す。






次の飛行機を待つまでの間、先ほどまでの和やかなムードは一変。




責任のなすりつけあいが始まった(器の小さい夫婦である)。






① 責任転嫁




「○○がコンビニ行こうって言ったから(そっちが悪い)」


「いやでも、○○だって行きたいって言ってたじゃん(そっちも悪い)」


「そもそもどっちも時間気にしてなかったのがいけなかったんだよ(2人の責任)」




② 必死の前向き発想




「まあでも、1時間あとの便とれてよかったよね」


「まあでも、いい勉強になったと思って次から気をつければいいよ」


「まあでも、数年後には笑い話になって、逆にいい思い出かも」




③ 沈黙




「…。」「…。」




④ 抑えきれない後悔・苛立ち




「…高い沖縄旅行だよ」


「…この金額払うなら海外行けたね」




①へ戻る(繰り返し)




人が受け入れられない状況を必死に受け入れようとするときの模範解答のような、気分の浮き沈みを繰り返しながらなんとか精神を持ち直し、無事に搭乗いたしましたとさ。




めでたしめでたし。








ちなみに、事前に購入したバスチケット。






安くなる金額は数百円。






買いなおした飛行機代は数万円。






到着時間が遅くなったため、そのバスの時刻が予定にあわず、


結果的に無意味な支出と化したチケット代数千円。














使われることなく手元に残ったチケットが、今も私の心を揺さぶり続けるのである。